FAQシステムの効果的な改善策とは?利用実態調査を大公開!
FAQシステムの利用者は、様々な背景や経験を持つ人々で構成されています。
その中には、お客様や自社スタッフ、ヘルプデスクやコールセンタースタッフなどが含まれています。
新人のヘルプデスクスタッフからベテランまで、また異業種からの転職者である40代や50代の
コールセンタースタッフなど、多岐にわたる利用者が存在します。
このような様々な人々で構成される組織の中で、FAQシステムの管理者や運用担当者は、
自社のFAQシステムの利用状況を適切に把握する必要があります。
そこで本日は、弊社のFAQシステム「ナレッジリング」を利用しているお客様からの依頼に基づいて
実施した利用実態調査の一部をご紹介したいと思います。
今回ご紹介するのは「年代別の利用状況」です。
これは普段あまり目にすることのない情報であり、興味深い結果が得られました。
- 年代や入社歴によるFAQシステムの利用のしかたの違いとは?
- 利用状況からFAQシステムをどのように改善できるのか?
利用者の多様性に注目したこの実態調査は、FAQシステムの改善に向けて貴重な情報を
提供するものですので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
FAQシステムの利用実態調査に至った背景
まず、なぜこのような利用実態調査が行われることになったのか説明しておきましょう。
このお客様では、FAQシステムの利用実績が毎月15,000pv(調査時)を超え、
利用率としては高いことが確認されていました。
ところが、社内でのアンケート調査の結果、利用数自体には改善点はないものの、
情報への到達に時間がかかる人や、情報をすぐに見つけられない人が一定数存在することが
明らかになりました。
逆に、利用頻度の高いユーザーのログを調査したところ、FAQシステムに投稿されている記事への
到達方法に違いがあることが分かりました。
そこで、利用者の人事情報を活用し、性別、年齢、入社歴などから
FAQシステムの利用方法や情報への到達状況に違いがないかを調査することにしました。
FAQシステムの利用実態調査の概要
今回紹介するFAQシステムの利用実態調査の概要は以下の通りです。
利用目的 | ナレッジ共有 |
登録内容 | 主に商品やサービスについての規約や、提案書、 導入事例集などの営業向け資料中心のナレッジ |
登録数 | 約1,500記事 |
アクセス数 | 約45,000pv |
利用者数 | 約1,500人(アクティブユーザー約650人) |
年代 | 20代~50代(一部約60歳程度) |
利用職種 | 営業スタッフ、営業庶務 |
調査期間 | 3ヶ月 |
FAQシステムやナレッジサービスを導入する際は、まず、FAQや記事などを分類して
カテゴリーを作ります。
その後、分類したカテゴリーにFAQや記事を登録します。
次に、FAQシステムの検索方法は主に3つあります。
- キーワード検索
- カテゴリー検索
- お気に入り
お気に入りは、よく見る記事をピン留めする機能であるため、他の探し方とは少し異なりますが、
大まかにはこの3つに分かれます。
調査の結果、自分が必要な情報にたどり着く方法は、利用者の属性によって違いがあることが
分かりました。
この発見は、結果的にFAQシステムの改善につながるヒントとなりました。
以下では、その中から興味深いポイントをいくつかご紹介します。
利用実態1:入社歴の違いによるFAQシステムの利用状況
入社歴については、年代や性別といった要因との強い相関関係は見られなかったものの、
FAQシステムの利用において明確な傾向が浮かび上がってきました。
それは、入社年次が浅いほどFAQシステムを利用する傾向が強いということです。
この傾向は、特に入社して3年未満の社員と5年以上の社員を比較すると顕著に現れます。
全年代を通じて、入社歴の浅い人ほどFAQシステムの利用頻度が高いことが確認されました。
つまり、入社歴が浅い社員ほどFAQシステムを利用する割合が高いということになります。
この傾向の理由については様々な要因が考えられます。
例えば、入社後まもない期間は、業務内容や社内手続きに関する疑問が多い時期であることが
挙げられます。
新入社員は、会社のシステムや手順に慣れるために、より積極的にFAQシステムを活用する傾向が
あるのかもしれません。
また、リモートワークが増えてくると、この傾向がより顕著になる可能性があります。
リモートワークでは、直接上司や先輩に質問する機会が限られるため、
FAQシステムはより重要になります。
なお、この調査はコロナ禍以前に行われたものですが、リモートワークの普及により、
これからの社内コミュニケーションの変化がさらに注目されると思われます。
利用実態2:検索方法の違いによる情報への到達のしかた
さらに、情報への到達のしかたについても興味深い結果が得られました。
年代や経験によって、利用者の行動パターンには明確な傾向が見られたのです。
全体的には、キーワード検索中心に情報を探す利用者が多いことが判明しました。
しかし、50代以上の利用者になるとその割合が急激に減少し、
わずか60%程度にまで落ち込んでいることが注目されます。
●年代別利用状況
年代 | キーワード検索中心 | キーワード検索中心 |
50代 | 45% | 60% |
40代 | 25% | 75% |
30代 | 20% | 80% |
20代 | 20% | 80% |
これに加えて、具体的な利用者の行動を探るため更なる調査を行いました。
その調査結果について、以下に詳しく説明します。
-
【調査結果①】50代・入社歴20年以上の場合
●調査対象の利用者属性と利用頻度
年代 | 50代 |
性別 | 男性 |
入社歴 | 20年以上 |
FAQシステムの 利用頻度 |
中 |
50代の男性で入社歴20年以上の利用者は、FAQシステムを比較的頻繁に利用しており、
このような利用者は、カテゴリー毎に記事を把握しており、
カテゴリーから特定の記事を照会することが多い傾向が見られました。
そのため、階層が深くなっていくにつれて必要な情報を見つけられない場合には
キーワード検索を利用することがあるようです。
これは、性別に関係なく、比較的社歴が長く50代以上の利用者に顕著にみられる傾向です。
ただし、それでも約6割の利用者がキーワード検索を利用しています。
このレポートをお客様に提示した結果、お客様はカテゴリーの再編を実施し、
よく見られる記事を上位に配置するなどの改善を行いました。
-
【調査結果②】入社歴3年未満の場合
●調査対象の利用者属性と利用頻度
年代 | 全て |
性別 | 全て |
入社歴 | 3年未満 |
FAQシステムの 利用頻度 |
高 |
入社歴が3年未満の場合、ほとんどの利用者がFAQシステムを利用していました。
これは、年代による差異はほとんど見られず、利用者の多くがキーワード検索に頼っています。
特に入社歴の浅い利用者は、事業やシステムについてまだ熟知していないため、
必要な情報がどのカテゴリーに分類されているかを含めて検索する必要があります。
そのため、手間がかかると感じることが原因と考えられます。
このような傾向を裏付けるデータとして、類似記事を見つけた場合には同一カテゴリー内の記事を
照会することが多いことが分かりました。
特に入社1年未満かつ20代の利用者は、ほぼ全員がキーワード検索を利用しています。
このように、FAQシステムの利用パターンは年代や経験によって異なることが明らかになりました。
これらの情報を元に、より効果的な情報提供が行われるよう改善することで、
利用者のニーズに応えることができると言えるでしょう。
FAQシステムを持続的に活用するポイント
ある企業のFAQシステムの利用状況にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
このレポートは、皆さんの企業でも参考になるのではないでしょうか。
もちろん、各企業のFAQシステムの利用者や用途は異なるため、統一的に対応することは難しいですが、
FAQシステムを持続的に有効活用するためには、以下の3つのポイントを考慮することが重要です。
- 利用者の属性を考慮したカスタマイズ
- アクセスしやすいインターフェースの設計
- 利用状況のモニタリングと改善
詳しく説明していきましょう。
-
【ポイント①】利用者の属性を考慮したカスタマイズ
まず最初に、FAQシステムの利用者の属性に合わせたカスタマイズが重要です。
例えば、利用者の年齢や入社歴などに応じて、FAQシステムのカテゴリー分類や検索方法を
最適化することが必要です。
若手や新人の利用者はキーワード検索を好む傾向がありますが、
一方でベテランの利用者はカテゴリー検索を好むことがあります。
それぞれの属性に合わせた利用しやすいシステムを提供することで、
利用者が円滑に情報を得られる環境を整えることができます。
-
【ポイント②】アクセスしやすいインターフェースの設計
次に重要なのは、FAQシステムのインターフェースの設計です。
利用者が簡単に必要な情報にアクセスできるようにするためには、
直感的でわかりやすい操作が必要です。
特に入社歴の浅い利用者や、FAQシステムに不慣れな利用者にとっては、
シンプルで直感的なインターフェースが重要です。
このような利用者がストレスなく情報を探せるようにするために、
視覚的に分かりやすいデザインにすることや
ユーザーフレンドリーなナビゲーションを設置することが有効です。
-
【ポイント③】利用状況のモニタリングと改善
最後に、FAQシステムの導入後は利用状況を定期的にモニタリングし、
利用者のフィードバックを収集することが不可欠です。
利用者の属性や利用方法の変化に合わせてFAQシステムを改善し、
利便性や満足度を向上させるための取り組みを行うことが重要です。
定期的なユーザー調査や利用ログの分析を通じて、
FAQシステムの適切な運用と改善を行っていくことが成功の鍵と言えます。
以上の3点を考慮して、FAQシステムの導入と運用を行うことで、
利用者のニーズに合った効果的な情報提供が可能となります。
ご紹介した調査結果を参考に、FAQシステムの効果的な改善に役立ててください。
FAQシステム「ナレッジリング」のご紹介
前述の利用実態調査からも明らかの通り、
FAQシステムを効果的に活用するためには、定期的な分析とフィードバックを繰り返し、
改善を継続することが重要です。
FAQシステムの利用履歴の分析は、利用状況を把握するだけでなく、
利用者のニーズや課題を把握するための貴重な情報源となります。
利用履歴データから、よく検索されるキーワードや頻繁に閲覧されるページなどを把握し、
それらを元にFAQの内容や構成を改善することで、利用者がより迅速かつ正確に必要な情報を
見つけやすくなります。
また、利用者が頻繁に問い合わせる内容や不明瞭な点を特定し、
それらに対する明確な回答や補足情報を追加することで、利用者満足度の向上にもつながります。
FAQシステムの導入を検討する際には、利用状況が分析できる機能を備えたものを
選択することをおすすめします。
ナレッジリングは、いつでも・どこでも・カンタンな操作で社内の情報共有を促進する
FAQシステムです。
検索性に優れており情報が見つかりやすいことに加え、
利用状況の分析に必要な機能を備えています。
ナレッジリングの主な機能はこちらでチェック! >>> ナレッジリング機能紹介
ナレッジリングでは、利用履歴が詳細に記録されており、
管理画面から簡単に利用状況を確認できます。
利用履歴データをダウンロードし、Excelで直接分析することも可能です。
具体的には、以下の情報を一目で把握することが可能です。
- 検索内容(検索テキストやキーワード)
- 検索結果または閲覧された内容
- 検索してヒットしなかったワード
<ナレッジリングのキーワード分析機能>
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